当面レンジ相場
ニッセイ基礎研究所主任研究員・前山裕亮氏 2025年06月19日 14時35分

 現在の日本株は割安感に乏しい水準だが、日経平均株価が3万8000円を超えた辺りで出ていた利益確定売りは落ち着いてきた。一方で、米関税政策を巡る不透明感は依然として強い。今後2~3カ月の日経平均は3万6000~3万9000円のレンジ相場になるだろう。
 仮に日米の関税協議がうまくいっても、一律10%の相互関税が残る可能性は高く、企業業績の下押し要因になるのは確かだ。それにもかかわらず、日経平均は関税政策への警戒感が強まる前の2月ごろの水準にまで回復した。関税が世界経済に与える影響が見通しづらいことや為替の動向も踏まえると、現在の株価水準は楽観的に見え、揺り戻しの過程で下落はあり得る。
 関税協議は長期化の可能性が出てきた。今年度第1四半期決算の発表を迎えても、企業は通期業績見通しの方向感を出せず、投資家にとっては積極的に買えない状況が続くかもしれない。

私の相場観