7月まで横ばい
T&Dアセットマネジメント・チーフ・ストラテジスト浪岡宏氏 2025年06月09日 14時25分
ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から考えると、現状の日経平均株価は適正な水準だ。7月ごろまで横ばいで推移するだろう。
1~3月期の法人企業統計では設備投資の増加が確認された。コメの価格が落ち着けば、実質賃金も改善する。内需は堅調で、日本経済は底堅さがあると言える。
この1年を振り返ると3万8000~4万円の価格帯で累積売買代金が多く、戻り待ちの売りが出やすい。上値を追うには、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感の払拭が必要だ。
一方、4月中旬からの米国株の上昇は楽観的に見える。市場参加者は、関税政策が米国の実体経済に与える影響をあまり意識していないのではないか。ひとたび何らかのショックがあれば、米国株は下がり得る状況だ。日本の実体経済が悪くならなくても、米国株の下落に日本株が引きずられる展開は考えられる。