第2党が連立離脱、政権窮地に=カンボジア国境巡る首相発言で―タイ 2025年06月19日 18時44分

19日、バンコクで会見するタイのペートンタン首相(中央)(タイ首相府提供)
19日、バンコクで会見するタイのペートンタン首相(中央)(タイ首相府提供)

 【バンコク時事】タイの与党第2党だった保守派タイの誇り党は19日、タクシン元首相派のタイ貢献党率いる連立政権から離脱した。カンボジアとの国境問題を巡り、ペートンタン首相がカンボジア側との会談でタイ国軍を批判する発言をしたことを理由としている。首相辞任を求める声も出ており、政権は窮地に立たされている。
 5月にタイとカンボジアの国境付近で起きた両国軍の武力衝突を巡り、ペートンタン氏は今月15日、カンボジア前首相のフン・セン上院議長と電話会談。18日に録音内容が流出し、ペートンタン氏がタイ陸軍の司令官らを批判し、「何か望みがあるならば私が対応します」などと発言したことが明らかになった。同氏の父タクシン氏とフン・セン氏は親しい関係で知られる。
 これを受け、誇り党は18日、「タイの国民や軍隊の尊厳を失わせた責任を取るよう首相に求める」とする声明を発表。連立政権で副首相兼内相を務めていた誇り党のアヌティン党首は19日、辞表を提出した。 

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