イラン、イスラエル・識者談話 2025年06月19日 17時43分

◇米軍事介入、回避は困難
田中浩一郎・慶応大教授(イラン政治)の話 イスラエルのイラン攻撃に米国が軍事介入する可能性は、時間の経過とともに高まってきた。ここ数日で参戦に傾いていたトランプ米大統領が攻撃計画を承認したと伝えられており、もはや米軍の攻撃を回避することは難しい局面にある。
イラン中部フォルドゥの地下にある核関連施設を攻撃するには、米軍の戦略爆撃機B2と地下貫通型爆弾「バンカーバスター」を使うしかない。イスラエルはフォルドゥの核施設を破壊できる通常兵器を持っておらず、単独では核を使わない限り攻撃できない。米国はイスラエルの核使用を容認せず、自ら手を出すことに至るのではないか。イスラエルのネタニヤフ首相の思惑にトランプ氏が乗せられることになる。
イスラエルは、イランの体制そのものへの破壊に乗り出している。最高指導者ハメネイ師を殺害することも視野に入れている。
イランは徐々に体制の機能を失い、やがて軍を動かせなくなるだけでなく、国としての統制を取ることすら難しくなる。今後、ハメネイ師が殺害されるようなことになれば、これを機に国内で不満をため込んでいた民衆が蜂起することが考えられる。国がばらばらになることも起こり得る。