高水準で横ばい
伊藤忠総研マクロ経済センター長・宮嵜浩氏 2025年06月06日 14時15分

 日本経済は非製造業中心の好循環が期待されるが、米国の関税などを巡る不透明感は払拭されておらず、日経平均株価が一本調子に最高値を更新するとは考えにくい。高水準での横ばい状態で推移するのではないか。
 鉄鋼とアルミニウムの追加関税を50%に引き上げるなど、トランプ関税の「揺り戻し」もあって輸出関連株は上値が重い。米高関税政策を受けたリスク回避による円高も輸出型企業の業績懸念につながっている。そうした中、銀行や不動産などインフレに強い業種が相場を支えている。非製造業には円高はコスト低下につながる。原油価格の下落とともに、内需型企業にとって交易条件の改善と言える。
 米国ではトランプ大統領が目指す大型減税により財政赤字拡大への不安が生じており、金利が上昇しやすくなっている。財政リスクがクローズアップされて米債券、ドル、米株がそろって下がると、日本株も下落する恐れがある。

私の相場観