見極め困難で短期売買
ニッセイ基礎研究所研究員・森下千鶴氏 2025年02月18日 14時35分

 日経平均株価が3万8000~4万円のレンジ相場を抜け出す明確な材料が見当たらない。トランプ米政権の具体的な政策が見通しづらく、短期売買が繰り返されている。一方で、堅調な企業業績から下値では買いが入りやすい。
 米国の関税引き上げ措置と日銀の利上げを考慮すると、外需関連は積極的には手掛けづらい。円安基調は一服し、円高にも注意を払う必要がある。為替相場が円高に振れ過ぎると、2026年3月期業績予想の前提が変わり、投資家の慎重姿勢が強まる可能性がある。
 内需関連では、金融業が引き続き期待できる。継続的な賃上げの実施と国内消費の回復が確認できれば、安心感のある内需へ物色が向かう。
 上値の重い日経平均だが、企業の中期経営計画や設備投資計画などに動きが出ると4万円を超える展開になるだろう。自社株買いのみならず、事業の統合・再編につながる施策に目を向けたい。

私の相場観