日銀の追加利上げ観測強まる=長期金利、15年ぶり1.4%超え 2025年02月18日
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日銀の追加利上げ観測の強まりを受け、長期金利の上昇傾向が鮮明となっている。18日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債(第377回債)の流通利回りは1.430%まで上昇(債券価格は下落)し、2009年11月以来、約15年3カ月ぶりの高水準となった。金利の先高観から投資家による国債売却の動きに拍車が掛かっている。
日銀は昨年3月、マイナス金利政策を解除。同7月には政策金利の0.25%への引き上げを決定し、今年1月には0.5%への追加利上げに踏み切った。
日銀は先行きの政策運営について「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」(植田和男総裁)との考えを繰り返し表明している。
さらに、田村直樹審議委員は今月6日の講演で、利上げの最終的な到達点について「25年度後半には少なくとも1%程度まで(政策)金利を引き上げておくことが必要だ」と強調した。
人手不足に伴う賃上げの動きや食料品を中心とした相次ぐ値上げを受けた物価の上振れリスクも、今後の金融政策決定会合での日銀の追加利上げ観測を強める要因となっている。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「日銀による利上げの到達点が1%を超えるとの見方などから(債券の)市場心理は非常に弱い」と指摘。長期金利の一段の上昇に警戒感を示している。
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