ROE改善で上抜けも
UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントストラテジスト小林千紗氏 2025年02月13日 14時28分

 株式市場は日本企業による一段の資本効率向上に注目している。初夏の決算シーズンにかけ、自己資本利益率(ROE)の改善が見え始めれば、日経平均株価は最近のレンジ上限である4万1000円を上抜けていく可能性がある。
 東証が一昨年春に「資本効率や株価を意識した経営」を要請して以来、企業の自社株買いは急増した。ただ、ROE改善の見通しはメガバンクなど一部の大手企業に限られ、投資家の期待も既に一巡した。
 今後、さらに幅広い規模と業種の企業が、自己資本や事業構成にメスを入れる具体的なROE改善策を示せば、海外投資家の日本株評価を再燃させるカタリスト(触媒)になるだろう。
 一方、トランプ米政権の関税政策が世界経済に及ぼす影響は読みづらく、先行き不透明感は強い。日本企業への打撃が危惧される場面では、日経平均が3万6000円台まで下落することも想定される。

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