〔NY石油〕WTI続落、66.52ドル(15日) 2025年07月16日 05時02分

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国による対ロシア制裁を巡る警戒感が後退する中、対ユーロでのドル高を背景に売られ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.46ドル(0.69%)安の1バレル=66.52ドルだった。9月物は0.44ドル安の65.37ドル。
 トランプ米大統領は14日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、50日以内に停戦合意に応じなければ、高関税を含む経済制裁を課す考えを表明した。ただ、トランプ氏は制裁の即時発動を避け、50日間の交渉余地を残したことで、対ロシア制裁の厳格化に伴うエネルギー供給不安が後退し、原油相場を圧迫した。
 米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、伸び率は前月(2.4%)から加速。市場予想と並んだものの、米関税政策を受けて物価上昇の兆しが見られたとの見方から、対ユーロなどの主要通貨でドル買いが優勢となった。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、原油が売られた。
 石油輸出国機構(OPEC)は15日に公表した月報で、2025年と26年の世界の石油需要見通しを前年比で日量130万バレル増。前月予想から据え置かれたため、相場への影響は限定的だった。
 ▽ガソリン=反発。中心限月8月物の清算値は0.42セント高の1ガロン=216.96セント。
 ▽ヒーティングオイル=反発。8月物の清算値は1.54セント高の1ガロン=240.52セント。

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