伏せ字処分を取り消し=「帝国の慰安婦」訴訟―韓国地裁 2025年07月16日 16時13分

韓国で34カ所が伏せ字の状態で出版された朴裕河・世宗大名誉教授の著書「帝国の慰安婦」=16日、ソウル
韓国で34カ所が伏せ字の状態で出版された朴裕河・世宗大名誉教授の著書「帝国の慰安婦」=16日、ソウル

 【ソウル時事】韓国の元慰安婦が世宗大の朴裕河名誉教授の著書「帝国の慰安婦」により名誉を傷つけられたと主張した訴訟で、ソウル東部地裁は15日、同書の34カ所の記述を削除するよう命じた仮処分を取り消した。地裁が16日、明らかにした。
 地裁は決定で、憲法が表現の自由の保障や検閲の禁止を定めていると強調。表現行為の抑制には厳格かつ明確な要件を満たす必要があると判断した。
 原告の元慰安婦は2014年、「日本軍と同志的な関係にあった」などの表現で名誉を傷つけられたと主張し、出版差し止めなどを求める仮処分を申請。地裁は15年、34カ所の記述を削除するよう命じ、同書は韓国では該当部分が伏せ字の状態で出版された。識者らからは憲法が保障する表現の自由を侵害する恐れがあるとの指摘が出ていた。 

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