〔NY外為〕円下落、一時149円台=3カ月ぶり安値(15日) 2025年07月16日 06時57分

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク外国為替市場では、インフレ率の上昇を示す米経済指標を受けて円売り・ドル買いが優勢となり、円相場は一時1ドル=149円台に下落した。4月上旬以来3カ月超ぶりの安値水準を付けた。午後5時現在は148円79~89銭と、前日同時刻(147円64~74銭)比1円15銭の大幅な円安・ドル高。
 米労働省が朝方発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇した。伸び率は前月(2.4%)から加速した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比2.9%上昇と伸び率は前月から拡大。トランプ米政権の高関税政策が物価に反映されつつあることを示す内容となった。市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が今月末の金融政策会合で、政策金利の据え置きを決定するとの見方が大勢だ。
 パウエルFRB議長は一連の高関税措置が夏にかけて物価を押し上げると予想し、利下げ時期を慎重に判断する姿勢を示している。ノムラ・インターナショナルの為替ストラテジストの宮入祐輔氏は「著しい雇用情勢の悪化もみられない中、ドルが買い戻された」と分析。日銀の金融政策正常化への期待低下に加え、今月20日の参院選投開票日を前に日本の政局不安や財政拡張的な施策への警戒感などもある中、「強い円買いが入る要因がなかったようだ」と指摘した。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1595~1605ドル(前日午後5時は1.1660~1670ドル)、対円では同172円65~75銭(同172円31~41銭)と、34銭の円安・ユーロ高。

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