〔NY金〕続落、3336.70ドル(15日) 2025年07月16日 03時18分
【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米早期利下げ観測の後退を背景としたドルの上昇に圧迫され、続落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比22.40ドル(0.67%)安の1オンス=3336.70ドル。
米労働省が朝方発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、総合が前年同月比2.7%上昇、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアが2.9%上昇。伸び率はいずれも前月から拡大し、トランプ政権が発動した高関税政策の影響が顕在化しつつあると受け止められた。
米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの間では今のところ、高関税による物価押し上げ圧力は限定的との見方が優勢。しかし、8月1日に相互関税の上乗せ分が発動されれば、物価動向の見極めはさらに困難になり、利下げ再開が遅れるとの警戒感が根強い。このため、CPIの発表後にドル指数が上昇し、ドル建てで取引される金は割高感を嫌気した売りに押されてマイナス圏に転落した。
ただ、翌16日に米卸売物価指数(PPI)の発表を控えているほか、米国と貿易相手国との交渉の進捗(しんちょく)を待ちたいとの思惑もくすぶり、取引終盤は下げ幅をやや縮小した。