〔NY石油〕WTI軟調、65ドル台(16日午前) 2025年07月16日 23時42分

 【ニューヨーク時事】16日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米石油製品在庫の増加を示す統計の発表を嫌気し、軟調地合いが継続している。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は午前10時35分現在、前日清算値(終値に相当)比1.05ドル安の1バレル=65.47ドル。
 夏の行楽シーズンを迎えた北半球で燃料需要が拡大するとの思惑から、相場は早朝にかけて強含みで推移。しかし、その後は、欧州連合(EU)など主要な貿易相手国との通商摩擦激化に伴う景気減速を懸念した売りが再燃し、マイナス圏に押し戻された。また、西側諸国が制裁強化を警告するロシアからの供給抑制をにらんだ買いも依然として乏しい。
 一方、米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した在庫週報によると、11日までの1週間に米原油在庫は390万バレル減少。市場予想(ロイター通信調べ)の60万バレル減を大幅に上回る取り崩しとなった。ただ、ガソリン在庫は100万バレル減の予想に対し、340万バレル増。ディスティレート(留出油)在庫も20万バレル増の予想を大幅超過する420万バレル増を記録し、相場は下げ幅を拡大している。

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