しばらくもみ合い
東洋証券ストラテジスト大塚竜太氏 2025年05月20日 14時28分

 トランプ米政権の「相互関税」の影響はひとまず株価に織り込まれたようで、市場は少し落ち着きを取り戻している。とはいえ、さらなる上昇には材料が必要で、日経平均株価はしばらく現状水準でもみ合うのだろう。
 足元、利益確定売りのほか、年金資金によるリバランス(資産配分調整)の売りも出ている印象だ。一方で、短期筋からはショートカバーも入っている。海外投資家は1~4月の累計で売り越しになっており、今後はその買い戻しも見込まれ、利益確定売りなどで大きく押されることはなさそうだ。ただ、レンジを切り上げるのは、7月下旬に始まる2025年4~6月期の決算発表で米国の関税の影響などが見えてきてからだと考える。
 当面の日経平均の下値のめどは3万5000円。上値は3万9000円程度か。それより上は累積売買代金が多く戻り売りの圧力が強まる。年金資金は、今後も株価が上がれば売りを出すとみられる。

私の相場観