年末に向け下落局面
フィリップ証券リサーチ部長・笹木和弘氏 2025年06月05日 14時23分
現在の日経平均株価はバリュエーション(企業価値評価)面から高値圏にあり下落しやすい。長期金利の上昇やトランプ関税が重しとなり、日経平均の上値は年末にかけて3万7000円程度にとどまると予想する。
日経平均の株価収益率(PER)は15倍を超え、過去5~6年の平均約14倍と比べると割安水準とは言えない。長期金利が上昇傾向にあることも株価を抑える要因となる。
また、景気サイクルの観点から2025年は世界的に後退に向かうタイミングとなる。そこにトランプ関税が重なり減速が確実なものになってきた。そうした状況では日本経済だけが好調とはならないだろう。
夏に向けてはトランプ米政権の減税法案が最大のリスクだ。法案成立が米財政赤字の拡大を嫌気したドル売り、米国債売りにつながれば金融市場が混乱する。その場合には日経平均も大幅下落が避けられず、年内に3万円を割る可能性もある。