IAEA、イラン非難決議を採択=欧州、制裁復活を検討 2025年06月12日 17時34分

【ベルリン時事】ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)理事会は12日、イランがIAEAの核監視業務に協力する義務に違反したと認定する非難決議を賛成多数で採択した。英仏独はこれを踏まえ、2015年の核合意で停止した対イラン制裁の復活に向けた検討を本格化させる。
イランは強く反発し、ウラン濃縮施設を増強する対抗措置を発表した。欧州との関係悪化のみならず、難航している米国との核交渉のハードルも一段と高くなりそうだ。
決議はイランによる協力義務の「不履行」を認定し、「即時是正」を要求。その上で、国連安全保障理事会でこの問題を扱う方針を示唆した。理事35カ国のうち、19カ国が賛成し、ロシアと中国、ブルキナファソが反対した。
核合意には、合意以前にイランに科されていた制裁について、安保理が引き続き適用を停止すると決議しない限り、自動的に復活する「スナップバック」と呼ばれる規定がある。米英仏独は12日の理事会で共同声明を公表し、イランが対応を改める「最後の機会」になると強調。進展しなければ、スナップバック発動に動く考えを示した。