〔NY金〕続伸、3406.40ドル(21日) 2025年07月22日 03時35分
【ニューヨーク時事】週明け21日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利とドル指数の低下が追い風となり、続伸。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比48.10ドル(1.43%)高の1オンス=3406.40ドルと、約1カ月ぶりの高値を付けた。
トランプ米政権が設定した新たな関税率の発動日が近づく中、市場は難航する貿易交渉の行方を警戒。特に欧州連合(EU)は、譲歩を迫る米国への対抗姿勢を鮮明にしつつあり、同月6日に予定する第1弾の報復関税に続き、第2弾についても準備を進めているもよう。協議が決裂し、高関税の応酬となれば世界経済への打撃は避けられないことから、この日は安全資産の金が物色された。
また、物価高再燃への観測がくすぶる一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する圧力が増していることも投資家心理を圧迫。ベセント米財務長官は朝方のテレビインタビューで、利下げに慎重なFRBを巡り、制度全体の検証が必要との認識を明らかにした。中央銀行の独立性が脅かされればドルへの信任も揺らぐとして、外国為替市場では主要通貨に対してドルが下落。米金利も低下し、金が買われやすい地合いとなった。