〔NY石油〕WTI続落、67.20ドル(21日) 2025年07月22日 04時55分
【ニューヨーク時事】週明け21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、欧州連合(EU)によるロシアに対する追加制裁の影響は限定的との見方から売りが優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.14ドル(0.21%)安の1バレル=67.20ドル。9月物は0.10ドル安の65.95ドルだった。
EUは18日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、新たな制裁を課すことで合意。エネルギー分野を中心に圧力を強める内容で、ロシア産原油の価格上限を引き下げる措置を盛り込んだ。ただ、これに対して、ロシアのペスコフ大統領報道官は定例会見で、「われわれは制裁への耐性を既に身に付けた」と述べ、その影響を一蹴した。加えて、米国が価格上限枠組みに不参加なことから制裁の効果を疑問視する向きもあり、過度の供給不安が後退。原油売りが先行し、相場は一時66ドル台まで下落した。
ただ、下げ一巡後は売り買いが交錯し、方向感に乏しい展開。市場は、米国の通商協議の行方や国内在庫状況を注視している。米国とEUの関税交渉について楽観的な見方が一部で浮上する一方で、高関税政策の影響で経済活動が停滞し、エネルギー需要の鈍化を招くとの懸念も根強い。ラトニック米商務長官は20日、米CBSテレビとのインタビューで、EUとの貿易協定を締結できると確信していると発言。ただ、関税の発動期限は8月1日と強調した。
▽ガソリン=続落。中心限月8月物の清算値は2.15セント安の1ガロン=213.19セント。
▽ヒーティングオイル=反発。8月物の清算値は5.62セント高の1ガロン=250.92セント。