〔NY金〕3日ぶり反発、3344.00ドル=週間では3.1%高(9日) 2025年05月10日 04時14分
【ニューヨーク時事】週末9日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易協議を控えて警戒感が広がる中、ドル安を追い風に買われ、3日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比38.00ドル(1.15%)高の1オンス=3344.00ドル。週間では100.70ドル(3.10%)上昇した。
外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が進行。ドル建てで取引される商品に割安感が生じ、金の買いが入った。過去2日間で116.80ドル(3.41%)下げたこともあり、値頃感も支援要因となった。
トランプ米政権の関税措置を巡る米中高官による協議が10、11両日、スイスで開催される。トランプ米大統領は9日、「対中関税は80%が正しそうだ」とSNSに投稿し、関税引き下げの可能性への言及。この発言に関して、レビット米報道官は同日の記者会見で、トランプ大統領は中国に対する関税を一方的に引き下げることはないと明言した。市場では、米中貿易協議が事態の打開となり、貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が浮上。ただ、米中関税政策を巡る不確実性への懸念は根強く、安全資産としての金需要を促した。
市場関係者の間からは、金に対する関心は数カ月前ほど高くはなく、相場が一段の値固め局面に入り下向きの修正となる可能性を指摘する声もあった。