【2025年4月30日~5月1日】経済物価情勢の展望(要約) 2025年05月02日 08時48分

経済・物価情勢の展望(2025年5月1日)

 前回発表(2025年1月24日)との比較を中心に各項目ごとにまとめました。

1.経済・物価の現状


  • 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、「足もとは3%台程度となっている」から「足もとは3%台前半となっている」へ


2.経済・物価の見通し

(1)経済の見通し


  • 海外経済は、「緩やかな成長を続ける」から「減速」へ
  • 輸出、生産は、「増加基調に復していくと考えられる」から「弱めの動きになると見込まれる」へ
  • 企業収益は、「改善傾向をたどるとみられる」から「高水準ながらも減少するとみられる」へ
  • 設備投資は、「増加傾向を続けると考えられる」から「伸び率は鈍化すると見込まれる」へ


(2)物価の見通し


  • 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、「2024年度に2%台後半、2025年度に2%台半ばとなったあと、2026年度は概ね2%程度となると予想される」から「2025年度に2%台前半となった あと、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度となると予想される」へ
  • 中期的な予想物価上昇率は、「消費者物価の基調的な上昇率は、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。」から「先行きについては、成長ペースの鈍化などの影響を受けて伸び悩むとみられる。その後については、再度、予想物価上昇率は緩やかに上昇していくと考えられる。」へ


(3)政策委員の大勢見通し

※対前年度比
※政策委員見通しの中央値


■「経済・物価情勢の展望」(2025年1月)の基本的見解(概要)

  • 先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられる。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくと見込まれる。
  • 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2025年度に2%台前半となったあと、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度となると予想される。これまで物価上昇率を押し上げてきた既往の輸入物価上昇やこのところの米などの食料品価格上昇の影響は減衰していくと考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
  • 2026年度までの見通しを前回の見通しと比べると、成長率については、2024年度は幾分上振れているが、2025年度と2026年度は、各国の通商政策等の影響を受けて、下振れている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2025年度と2026年度は、原油価格の下落や今後の成長ペース下振れの影響などから、下振れている。
  • リスク要因としては様々なものがあるが、とくに、各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性はきわめて高く、その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。
  • リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい。物価の見通しについても、2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい。


[ゴールデン・チャート社]

■関連リンク

前回(2025年1月23日、24日開催分)の経済物価情勢の展望(要約)

主要各国の金融政策スケジュール

■参考資料(外部サイト)

経済・物価情勢の展望(2025年4月30日、5月1日開催分)(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)