〔東京外為〕ドル、144円台前半=終盤、欧州勢参入で一段高に(8日午後5時) 2025年05月08日 17時06分
8日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、時間外取引での米長期金利が上昇したことなどに支援され、1ドル=143円台後半で堅調に推移した。終盤は、欧州勢参入により、144円台前半へと一段高となっている。午後5時現在、144円30~32銭と前日(午後5時、143円17~18銭)比1円13銭の大幅ドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間は米長期金利の上昇などに伴い、142円台後半から143円台半ばまで水準を切り上げた。FOMCの結果公表を受け、いったん142円90銭前後まで急落し、その後は反発した。パウエル議長が会見で利下げに慎重姿勢を示すと一段高となり、一時144円付近まで値を上げた。
東京早朝は買いが一服し、143円台後半で推移。午前9時以降、日経平均株価の高寄りを背景に再び144円に迫った。ただ、日経平均が伸び悩み、ドル円は午前11時前後には143円40銭台に下落。正午にかけて143円台後半に持ち直した。午後は米金利上昇を眺めて144円台に乗せたが、午後3時にかけては戻り売りでやや伸び悩んだ。終盤は、欧州勢参入により改めて買いが優勢となり、143円台前半に水準を切り上げた。
午前はいったん下げたが、午後は「米金利上昇や日経平均の堅調な展開などがドル円を支援した」(為替ブローカー)とされる。終盤は「特段の買い材料は浮上しなかった」(大手邦銀)ものの、トランプ米大統領がSNSで、8日に「大きく、非常に尊敬されている国の代表者」と関税交渉で最初の合意についての記者会見を開くと投稿。これを受けて、「米関税政策への楽観論から買われたのではないか」(同)との声が聞かれる。
ユーロも終盤、対円は上昇。対ドルは小安い。午後5時現在、1ユーロ=163円03~05銭(前日午後5時、162円67~69銭)、対ドルでは1.1297~1297ドル(同1.1362~1362ドル)。