〔NY石油〕WTI続落、57.13ドル=4年3カ月ぶり安値(5日) 2025年05月06日 05時03分

 【ニューヨーク時事】週明け5日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、主要産油国による増産ペース加速を背景に供給過剰懸念が広がる中、続落した。米国産標準油種WTI6月物は前週末清算値(終値に相当)比1.16ドル(1.99%)安の1バレル=57.13ドルと、中心限月の清算値ベースで2021年2月上旬以来、約4年3カ月ぶりの安値を更新した。7月物の清算値は1.08ドル安の56.75ドル。
 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する石油輸出国機構「OPECプラス」の有志8カ国は3日、供給量を6月から日量41万1000バレル増やすことで合意した。8カ国はロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、イラクなど。OPECプラスによる協調減産とは別に日量220万バレルを自主減産していたが、4月以降、段階的な減産縮小に転じていた。ロイター通信によると、増産規模は4~6月の累計で日量96万バレルに上り、それまで実施していた日量220万バレルの減産の44%分が縮小することになる。米高関税政策を巡る不確実性からリセッション(景気後退)に伴うエネルギー需要の先行き不透明感が既に相場を下押し。こうした中、供給給過剰への警戒感も強まり、相場は一時56ドル台に下落する場面もあった。
 米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した4月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は51.6となり、市場予想(ロイター通信調べ)の50.6を上回ったが、影響は限定的だった。
 ▽ガソリン=反発。中心限月6月物の清算値は0.29セント高の1ガロン=202.28セント。
 ▽ヒーティングオイル=続落。6月物の清算値は1.87セント安の1ガロン=197.45セント。

前日からの主な出来事