〔NY金〕続伸、3322.30ドル(5日) 2025年05月06日 04時27分

 【ニューヨーク時事】週明け5日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦をめぐる先行き不透明感が広がる中で買われ、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比79.00ドル(2.44%)高の1オンス=3322.30ドル。
 トランプ米大統領は4日、全ての海外製作映画に100%の関税を課す方針をSNSで表明した。米商務省と通商代表部(USTR)に手続きなどの開始を求めたという。中国政府は4月に同国で上映される米国映画を減らすと発表しており、米中の対立がエンターテインメント分野にも拡大する可能性が意識された。米中の関税を巡る交渉にもこれまで目立った進展が見られず、米中通商摩擦を巡る不透明感が改めて強まっており、安全資産としての金が物色された。また、外国為替市場では対ユーロなどの主要通貨でドル売りが先行。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金の買いを後押しした。
 市場は6~7日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を注視。政策金利の据え置きはほぼ確実視されているものの、米関税政策や景気先行きをめぐる不透明感が強まる中で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを示唆するような発言をするかどうかが注目されている。
 ロイター通信によると、ゴールドマン・サックスは5日付のリポートで、2025年末までの金価格見通しを3700ドル、26年半ばには4000ドルとし、従来見通しを据え置いた。ゴールドマンは、米国が景気後退(リセッション)入りした場合には、金の上場信託信託(ETF)への資金流入が加速し、25年末までに3880ドルに達すると付け加えた。

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