〔NY外為〕円、143円台後半(5日) 2025年05月06日 06時16分
【ニューヨーク時事】週明け5日のニューヨーク外国為替市場では、米高関税政策を巡る不透明感がくすぶる中、円相場は1ドル=143円台後半に上昇した。午後5時現在は143円64~74銭と、前週末同時刻(144円89~99銭)比1円25銭の大幅な円高・ドル安。
米国が関税協議の一環として主要貿易相手国に通貨高を要求する可能性があるとの観測を背景に、アジア時間帯では米ドルが対台湾ドルで約3年ぶりの安値水準に下落。東京とロンドン市場が祝日で休場となる中、対アジア新興国通貨でのドル売りの勢いが対円相場にも波及し、ニューヨーク市場入り後も円高・ドル安基調が維持された。
トランプ米大統領は4日放映された米テレビのインタビューで、高関税政策の影響で米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性を問われ、「すべてがうまくいっている。今は過渡期だ」と主張。先行きは「米史上で最も素晴らしい経済になる」と強調した。一方、市場では景気先行きに対する不透明感は根強く、安全資産としての円買いを支援した。
米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した4月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は51.6となり、市場予想(50.6=ロイター通信調べ)を上回った。これを受け、過度な景気減速懸念が後退し、米長期金利が上昇。ドルが買い戻され、円は上げ幅を縮小する場面もあった。一方、ベセント米財務長官は5日、トランプ政権と与党共和党が速やかな議会通過を目指している大規模減税法案に関し、米国への新工場建設に対する奨励策拡大や、設備投資に対する100%の税額控除などを盛り込む考えを示した。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1310~1320ドル(前週末午後5時は1.1295~1305ドル)、対円では同162円61~71銭(同163円85~95銭)と、1円24銭の円高・ユーロ安。