〔NY石油〕WTI小反発、66.25ドル(11日) 2025年03月12日 05時06分
【ニューヨーク時事】11日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、貿易摩擦激化への警戒感がくすぶる中、ドル下落に伴う割安感が追い風となり、小反発した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.22ドル(0.33%)高の1バレル=66.25ドル。5月物は0.25ドル高の65.93ドルだった。
米景気の先行き不安を背景に、この日は外国為替市場で一段とドル安が進行。これを眺め、割安感の生じたドル建て商品が物色され、朝方にかけては堅調に推移した。前日に約半年ぶりの安値を付けた反動で買い戻しも入りやすく、相場は午前中に一時67ドル台に上昇した。
しかし、貿易摩擦激化への懸念が強まり、その後は上げ幅を縮小。トランプ米大統領はこの日、カナダから輸入する鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を翌12日から2倍の50%に引き上げるよう指示したことを明らかにした。米国への送電に輸出税を課すとしたカナダ・オンタリオ州の決定に対抗した形。新たな関税の脅威に、カーニー次期首相は譲歩しない姿勢を強調するなど、両国の対立が先鋭化しつつある。
こうした中、市場では米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性を織り込む動きが拡大。株式と並び、リスク資産と見なされる原油先物は上値の重い展開を強いられた。
▽ガソリン=反発。中心限月4月物の清算値は1.25セント高の1ガロン=210.50セント。
▽ヒーティングオイル=5営業日ぶりに反発。4月物の清算値は1.69セント高の1ガロン=219.68セント。