〔NY金〕3日ぶり反発、2920.90ドル(11日) 2025年03月12日 04時41分

 【ニューヨーク時事】11日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米政権の高関税政策を巡り景気減速懸念が広がる中、安全資産としての金需要が膨らみ、3営業日ぶりに反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比21.50ドル(0.74%)高の1オンス=2920.90ドル。
 トランプ米大統領は11日、カナダから輸入される鉄鋼、アルミニウムへの追加関税を2倍の50%に引き上げるよう指示したと発表した。12日午前に適用する。これに対して、カナダのカーニー次期首相は、X(旧ツイッター)に投稿し、米関税への報復措置を続ける方針を表明した。米国による主要貿易相手国への関税強化が景気減速を招くとの懸念が増幅し、この日の米株価は一時500ドル超下落。投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られる米シカゴ・オプション取引所のVIX指数は一時29を超え、昨年8月上旬以来の高水準となった。こうした中、安全資産としての金需要が膨らみ、相場はほぼ終日、2920ドル台で堅調に推移した。
 外国為替市場ではドル安・ユーロ高が進行。ドル建てで取引される金など商品の割安感が高まり、買いの流れに拍車が掛かった。
 市場の目先の関心は、翌12日発表される2月の米消費者物価指数(CPI)に向いている。米政権での高関税政策がインフレ再燃を招くとの警戒感も根強い。

前日からの主な出来事