〔NY外為〕円、147円台前半=一時5カ月ぶり高値(10日) 2025年03月11日 06時50分

 【ニューヨーク時事】週明け10日のニューヨーク外国為替市場では、米景気懸念を背景とした米長期金利の低下を受け円買い・ドル売りの流れが強まり、円相場は一時1ドル=146円63銭と、昨年10月上旬以来約5カ月ぶりの高値に上伸した。午後5時現在は147円23~33銭と、前週末同時刻(148円00~10銭)比77銭の円高・ドル安。
 円高・ドル安基調となった海外市場の流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は147円14銭で取引を開始した。前週末発表の2月の米雇用統計が市場予想を下回ったほか、トランプ米大統領が9日のテレビインタビューで米国が今年リセッション(景気後退)入りする可能性を否定しなかったことから景気減速懸念が拡大。リスク回避から国債が買われて米長期金利が低下し、終日にわたり円高・ドル安地合いが続いた。
 日銀の早期追加利上げ観測も、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りの流れを後押しした。一方、米政権による高関税政策への警戒感を背景にこの日の米株式市場が大幅下落。安全資産としての円買いも入り、円相場を下支えた。
 市場は、週内に発表される2月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)といった重要インフレ指標に注目しているほか、ウクライナへの軍事支援に伴う欧州各国の対応を注視。ロイター通信によると、欧州連合(EU)財務相会合が10日開かれ、各国は新たな共同借り入れを通した防衛費の捻出方法などについての協議を始めたという。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0832~0842ドル(前週末午後5時は1.0828~0838ドル)、対円では同159円47~57銭(同160円32~42銭)と、85銭の円高・ユーロ安。

前日からの主な出来事