〔米株式〕ダウ反落、890ドル安=今年最大下げ幅(10日) 2025年03月11日 05時55分
【ニューヨーク時事】週明け10日のニューヨーク株式相場は、トランプ米政権の関税政策が景気に与える影響への警戒感から売りが膨らみ、大幅反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比890.01ドル安の4万1911.71ドルで終了し、今年最大の下げ幅を記録。一時1100ドル超安まで下げる場面があった。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は727.90ポイント安の1万7468.32で引けた。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比2億0337万株増の14億6223万株。
トランプ大統領が週末に放映されたインタビューで、関税などの影響で米国が景気後退入りする可能性を明確に否定しなかった。株価の動向を注視するよりも、長期的に「強い国家をつくる」ことを優先する方向性も示したことで、投資家の不安が高まった。
IT大手や半導体、金融を中心に幅広い銘柄で売りが加速。テスラは15.4%安と下げを主導した。
トランプ氏は株価を自身の「成績表」のように考えていることで知られ、これまで市場では株価が下がれば政策が見直されるとの一定の期待があった。ただ、日系金融筋は「トランプ氏の発言を受け、株安でも軌道修正が行われないリスクが台頭した」と指摘する。
カナダで9日、与党・自由党の党首選が行われ、新党首にマーク・カーニー元カナダ銀行(中央銀行)総裁が選出された。トルドー首相の後を引き継ぎ、トランプ政権に強く対抗していく方針を打ち出しており、米加両国の緊張が続くとの見方が相場の重荷となった。
ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアが5.1%安、ゴールドマン・サックスが5.0%安、アップルが4.8%安、アメリカン・エキスプレスが4.4%安、ウォルマートが4.3%安。一方、ベライゾン・コミュニケーションズ、スリーエムがそれぞれ0.9%高。