〔NY金〕続落、2899.40ドル(10日) 2025年03月11日 04時33分

 【ニューヨーク時事】週明け10日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、週内に米インフレ指標の発表を控え警戒感が広がる中、利益確定の売りが優勢となり、続落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比14.70ドル(0.50%)安の1オンス=2899.40ドル。
 米消費者物価指数(CPI)および卸売物価指数(PPI)の発表を12、13日に控え、投資家はひとまず利益確定の売りに動いた。18、19両日開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きがほぼ確実視されている一方、最新のドット・プロット(参加者政策金利見通し)公表が注目されている。市場では、足元のインフレ動向を見極め、金融政策の方向性を探る手掛かりにしたいとの思惑が広がった。
 トランプ米大統領は9日放映されたFOXニュースのインタビューで、高関税政策などの影響で米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性を問われ、「過渡期がある」と回答。トランプ氏がリセッション入りの可能性を排除しなかったと受け止められ、景気減速懸念が増幅した。市場のリスク投資意欲の後退を反映して、この日は米株価が急落。金相場は取引終盤に売りの勢いが加速し、2900ドルを割り込んだ。

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