〔NY石油〕WTI大幅下落、68.51ドル=時間外では一時78ドル台(23日) 2025年06月24日 07時34分
【ニューヨーク時事】週明け23日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米軍による対イラン攻撃を受けた時間外取引での騰勢から一転、大幅下落した。イランの報復対象が米軍基地にとどまり、ホルムズ海峡のタンカー通航に影響が出ていないことを受け、利益確定の売りが台頭。この日から中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTI8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比5.33ドル(7.22%)安の1バレル=68.51ドルとなった。9月物は4.74ドル安の67.27ドル。
米軍がイラン時間の22日、イランの核施設に対する大規模攻撃に踏み切ったことを受け、8月物は同日の時間外取引で一時78ドル台と、今年1月下旬以来約5カ月ぶりの高値に急伸。同国は米欧の制裁下にあるものの、産油量は日量300万バレル超と、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の中で3位の規模を誇る。また報復として、ホルムズ海峡を封鎖すれば、世界のエネルギー供給量の2割に影響が及び、油価の高騰を招くとの警戒感から、買いが活発化した。
その後は情勢を見極めたいとの見方が広がり、相場はいったん横ばい圏で推移。しかし、イランが23日午後、米国に対する報復攻撃を開始したと報じられると、売り優勢の展開に転じ、終盤にかけて下げ足を速めた。これまでのところ、標的となったのはカタールの米軍基地で、エネルギー供給網への被害は報告されていない。また、イラン経済の屋台骨であるホルムズ海峡が完全に封鎖される可能性は低いとの見方も重しとなった。 ▽ガソリン=4営業日ぶりに反落。中心限月7月物の清算値は11.13セント安の1ガロン=221.82セント。
▽ヒーティングオイル=6営業日ぶりに反落。7月物の清算値は17.87セント安の1ガロン=236.31セント。