〔NY金〕反発、3395.00ドル(23日) 2025年06月24日 04時35分

 【ニューヨーク時事】週明け23日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、一段と緊迫化する中東情勢を背景に安全資産としての金が買われ、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比9.30ドル(0.27%)高の1オンス=3395.00ドル。
 米軍はイラン時間の22日、地下貫通型爆弾「バンカーバスター」などでイランの核施設3カ所を攻撃した。イランのペゼシュキアン大統領は米国への報復を明言。中東情勢が一層緊迫化するとの警戒感が強まり、安全な資金逃避先として金に買いが集まった。チャート絡みの買いが入ったとの見方もあった。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン副議長は23日、チェコ・プラハで講演し、インフレ圧力が抑制された状態が続けば、早ければ7月会合での利下げを支持すると明言した。今後の雇用とインフレ指標の動向を見極めつつ、物価上昇が限定的であれば利下げは妥当であり、政策金利を中立水準に近づける必要があると述べた。これを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が強まり、外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢の展開。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金を支えた。
 金相場の引け前後には、イランがカタールとイラクにある米軍基地に対するミサイル攻撃作戦を開始したとの報道が相次いで伝わった。報道後、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は、カタールのアルウデイド空軍基地へミサイルを発射したと表明した。ただ、海上輸送の要衝であるホルムズ海峡への封鎖など、市場が懸念する強力な報復措置ではなかったと受け止められ、金相場の一段高にはつながっていない。

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