試練の夏か 2025年05月08日 14時32分

三井住友信託銀行マーケット・ストラテジスト瀬良礼子氏
 米政権による相互関税の上乗せ分の停止期限は7月上旬。上乗せ分の適用が決まれば、試練の夏となるだろう。日経平均株価は夏場に二番底を形成しそうだ。ただ、夏場を乗り切れば好材料も期待できる。年末までの予想レンジは3万5000~4万0500円。
 日本では7月の参院選を控え、抜本的な経済対策の見直しができない政権の弱さが露呈し、景気の先行きを巡る不安感が高まる恐れがある。
 ただ、日本株はそれほど割高ではない。政治的に非常に不透明な米国よりもましな日本の株式を買う動きがあり、下支え要因となりそうだ。
 トランプ米政権は来年の中間選挙での勝利に向け、今年の年末には経済を下押しするような不透明要因の排除に動くはずだ。さらに、減税法案が可決されれば米景気にプラスになる。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げや日銀の利上げ先送りが株価を支えるだろう。

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