テレサ・テンさん墓前で追悼=没後30年、ファン集う―台湾 2025年05月08日 17時41分

【新北(台湾)時事】「アジアの歌姫」と呼ばれた台湾出身の歌手テレサ・テン(トウ麗君)さんの死去から30年に当たる8日、北部・新北市の墓前で追悼式が行われ、日本人を含む数百人のファンや関係者が花や線香を手向けた。主催した「トウ麗君文教基金会」理事長で実兄のトウ長富さん(74)は「これから30年も、より多くの人が彼女の歌を好きでいてほしい」と語った。
1974年の日本デビューを実現させた元トーラスレコード社長の舟木稔さん(91)=東京都品川区=も墓地を訪問。香港の舞台で最初に見たテレサさんについて「美空ひばりをほうふつとさせる天性の声質だった」と振り返り、「テレサの歌を若い人が歌い継いでほしい」と願った。
舟木さんに相談して「東京ファンクラブ」を2022年に設立した郭静会長(54)=東京都目黒区=は「彼女の歌を聞いて人生が変わった。天使の歌声をずっと忘れない」と話した。テレサさんが生前訪れるなどゆかりが深い福島県三島町の小堀庄太郎副町長も墓前に線香を供えた。
海を望む広々とした墓地では若者らがテレサさんの『時の流れに身をまかせ』などのヒット曲を弦楽器で演奏し、参列者が思い思いに口ずさんだ。テレサさんは1995年5月8日、旅先のタイで42歳の若さで急逝した。