中国、対米で連帯演出=多国間貿易を支持―上海協力機構 2025年09月01日 12時37分

1日、中国・天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で発言する習近平国家主席(EPA時事)
1日、中国・天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で発言する習近平国家主席(EPA時事)

 【天津時事】中国の習近平国家主席が議長役を務める上海協力機構(SCO)首脳会議は1日、天津で全体会合を開き、「多国間貿易体制の支持」をうたう声明を発表した。高関税政策で各国に圧力をかけるトランプ米政権をにらみ、新興・途上国の連帯を演出した。
 8月31日から2日間の日程で開かれた会議には、ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相らが出席した。1日には、加盟国首脳による「天津宣言」のほか、第2次大戦の「戦勝」と国連創設80周年を記念する声明も署名された。
 習政権は「国際秩序の担い手」として中国の存在をアピール。新興国を糾合し、保護主義的な姿勢を強める米国への対抗軸とする狙いもありそうだ。
 習氏は1日の基調演説で、国際的な「いじめ行為」に反対すると主張した上で、SCOは「世界最大の地域的組織になった」と語り、国際社会における影響力が一段と増していると訴えた。その上で、新興国が発言権を持つ「より公正な」国際秩序を構築すべきだとの持論を展開した。また、中国から加盟国への20億元(約400億円)の無償援助を年内に実施すると表明した。
 ロイター通信によると、モディ氏は会議で「SCOは多国間主義の指針だ」と語った。モディ政権は計50%の対印関税を発動したトランプ政権への反発を強めており、米国の「一国主義」を非難する習政権に同調した形だ。プーチン氏は「ウクライナ危機の解決を促す中印の努力を評価する」と述べた。 

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8月31日、中国・天津で開幕した上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席夫妻(EPA時事)
8月31日、中国・天津で開幕した上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席夫妻(EPA時事)

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