〔NY外為〕円、147円台後半=FRB議長解任巡る報道で一時急伸(16日) 2025年07月17日 06時19分
【ニューヨーク時事】16日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任に関する報道をきっかけにドル売りが活発化し、円相場は一時1ドル=146円台に急伸した。トランプ米大統領の否定で、その後一部巻き戻しが進み、午後5時現在は147円84~94銭と、前日同時刻(148円79~89銭)比95銭の円高・ドル安。
米労働省が朝方発表した6月の卸売物価指数(PPI)は、前日の消費者物価指数(CPI)に続き、モノの価格が上昇傾向にあることを示す内容。高関税政策に起因するインフレ抑制のため、年内の利下げ回数が従来想定の2回を下回るのではないかとの見方がドル買いを支援し、朝方の円相場は148円台後半で推移していた。
しかし、午前の遅い段階に、トランプ大統領が近くパウエルFRB議長を解任する可能性があるとメディアが相次ぎ報道。中央銀行の独立性が脅かされるとの懸念から、市場は一斉にドル売りで反応したが、間もなく「解任を計画していない」とするトランプ氏の発言を受け、急激な値動きは修正された。
FRBは午後公表した全米12地区の連銀景況報告(ベージュブック)で、景気判断を小幅に上方修正。ただ、パウエル氏の解任報道が尾を引き、終盤まで円高・ドル安方向での取引が続いた。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1636~1646ドル(前日午後5時は1.1595~1605ドル)、対円では同172円13~23銭(同172円65~75銭)と、52銭の円高・ユーロ安。