〔NY石油〕WTI3日続落、66.38ドル(16日) 2025年07月17日 04時41分

 【ニューヨーク時事】16日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、予想を上回る石油製品在庫の増加が弱材料視され、3日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.14ドル(0.21%)安の1バレル=66.38ドルだった。9月物は0.18ドル安の65.19ドル。
 米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した週報によると、11日までの1週間の米原油在庫は前週比390万バレル減と、市場予想(60万バレル減=ロイター通信調べ)を上回る取り崩しとなった。一方、ガソリン在庫は340万バレル増と、予想(100万バレル減)に反する積み増しを記録。ディスティレート(留出油)は420万バレル増と、増加幅は予想(20万バレル増)を上回った。これを背景に、需給の緩みを意識した売りが優勢となった。
 市場関係者の間では、夏場のドライブシーズンがピークを迎える中で、ガソリン需要の落ち込みが示されたことが、投資家の失望を誘ったと指摘する向きもあった。需要の目安となるガソリン製品の供給量は日量67万バレル減少し、850万バレルとなった。
 一方、イラク北部のクルド自治区で石油・ガス生産を運営する8社で作るクルディスタン石油産業協会(APIKUR)は、同地区の油田へのドローン攻撃を受け、加盟企業の大半が操業の一時停止を発表したと明らかにした。この報が伝わると、供給不安が台頭し、相場は下げ幅を一部縮小。プラス圏に浮上する場面もあった。
 ▽ガソリン=反落。中心限月8月物の清算値は2.56セント安の1ガロン=214.40セント。
 ▽ヒーティングオイル=反落。8月物の清算値は1.37セント安の1ガロン=239.15セント。

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