〔米株式〕ダウ反発、231ドル高=パウエル氏解任否定で(16日) 2025年07月17日 05時37分

 【ニューヨーク時事】16日のニューヨーク株式相場は、トランプ米大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を否定したことに安心感が広がり、反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比231.49ドル高の4万4254.78ドルで終了。解任を巡る一部報道を受け急落する場面があったが、持ち直した。
 ハイテク株中心のナスダック総合指数は52.69ポイント高の2万0730.49と、3日連続で史上最高値を更新して引けた。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比52万株増の11億3375万株。
 米CBSテレビがこの日、トランプ氏が15日の与党・共和党議員との会合でパウエル氏を解任すべきかどうか尋ねたと報じたほか、米ブルームバーグ通信もトランプ氏が近くパウエル氏を解任する可能性が高いと伝えた。FRBの独立性が脅かされるとの懸念から売りが膨らみ、株価は昼前に急落。ダウ平均の下げ幅は一時260ドルを超えた。
 ただ、トランプ氏はすぐに記者団にパウエル氏解任を「計画していない」と明言し、「可能性が非常に低い」と火消しに走った。市場の不安が和らぎ、幅広い銘柄が買い戻された。
 朝方発表された6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいと、市場予想(ロイター通信調べ)の0.2%上昇を下回った。前日発表の物価指標をきっかけに、トランプ政権の高関税政策によるインフレ再燃懸念が高まったが、この日はやや後退。相場を下支えした。
 ダウ平均の構成銘柄では、この日発表の四半期決算と通期業績見通しが好感されたジョンソン・エンド・ジョンソンが6.2%高。アムジェンが2.2%高、キャタピラーが2.0%高、メルクが1.1%高。一方、アマゾン・ドット・コムは1.4%安。

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