〔NY金〕4日ぶり反発、3321.00ドル(9日) 2025年07月10日 03時53分
【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の低下などを背景に金が買われ、4営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比4.10ドル(0.12%)高の1オンス=3321.00ドル。
米長期金利の低下を背景に金利を産まない金の投資妙味が高まり、金が買われた。前日までの下落の反動から安値を狙った買いも入りやすかった。
一方で、トランプ米大統領は7日に日本を含む14カ国に対して新たな相互関税の税率を通知。トランプ氏は8日にも輸入する銅に対して50%の関税を課す考えを示した。米高関税政策が再びインフレを招くとの懸念から外国為替市場では対ユーロでドル買いが優勢。ドル建てで取引される商品の割高感が生じ、金の上値を抑えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は金相場の引け後に、先月17、18両日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表。大半の参加者らは、トランプ政権の高関税政策によるインフレ上振れ圧力が「一時的か小幅」にとどまると指摘。年内に政策金利を「いくらか引き下げることが妥当となる可能性がある」との認識を示していたことが判明したが、金塊相場の反応は今のところ限られている。
サクソバンクの商品戦略責任者、オール・ハンセン氏は8日付のリポートで「金属セクターは値固め局面の時期に入った。金相場は過去12週間で横ばいで推移している」と述べた。同氏はその上で、2025年後半にFRBの利下げなどにより金需要が高まり、追い風となる可能性を指摘した。