〔NY石油〕WTI3日続伸、68.38ドル(9日) 2025年07月10日 04時43分

 【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まり観測を背景とした買いがやや優勢となり、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.05ドル(0.07%)高の1バレル=68.38ドル。9月物は0.01ドル安の66.97ドルだった。
 米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報によると、4日までの週に原油在庫は前週比710万バレル増加。市場予想(ロイター通信調べ=210万バレル減)に反して大幅な積み増しとなった。ただ、ガソリン在庫は270万バレル減、ディスティレート(留出油)在庫は80万バレル減と、それぞれ予想を上回る取り崩しを記録。また、EIAは8日公表の短期エネルギー見通しで、2025年の米産油量を前月時点から下方修正しており、需給引き締まり観測が相場を支援した。
 このほか、紅海での船舶攻撃を受け、地政学的リスクを警戒した買いも再燃。報道によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は7日、紅海を航行中の貨物船を攻撃し、沈没させたと主張している。
 しかし、トランプ米大統領は9日、新たにフィリピンなど7カ国に対して新関税率を通知する書簡を公表。貿易摩擦激化への懸念がくすぶり、相場は終盤にかけて上値を削る展開となった。
 ▽ガソリン=3営業日続伸。中心限月8月物の清算値は0.29セント高の1ガロン=218.79セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反落。8月物の清算値は3.21セント安の1ガロン=240.92セント。

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