〔NY外為〕円、146円台前半(9日) 2025年07月10日 06時27分

 【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク外国為替市場では、米高関税政策への警戒感を背景とした円売り・ドル買いの流れが一巡し、円相場は1ドル=146円台前半に上昇した。午後5時現在は146円27~37銭と、前日同時刻(146円55~65銭)比28銭の円高・ドル安。
 ニューヨーク市場は146円75銭で取引を開始。海外市場で一時進行した円売り・ドル買いの流れが一服する中、朝方や午前の段階では取引のきっかけとなる材料に乏しく、方向感を探る展開となっていた。
 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日午後、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月17、18日開催分)を公表した。大半の参加者らは、米高関税政策によるインフレ上振れ圧力が「一時的か小幅」にとどまるとの見方を表明。年内に政策金利を「いくらか引き下げることが妥当となる可能性がある」との認識を示したことが明らかとなった。発表後、米長期金利が一段と低下。円は上げ幅を拡大する場面もあった。
 トランプ米大統領は9日、ブラジルからの輸入品に対し8月1日から50%の相互関税を課すと表明した。これを受け、取引終盤はドルの買い戻しもみられた。これに先立ち、トランプ氏は関税率を通知する新たな書簡をフィリピンやイラクなど7カ国に送付していた。一方、米政府は9日、ベセント財務長官が、開催中の大阪・関西万博を19日に訪れると発表。関税交渉を進める赤沢亮正経済再生担当相と8日午前に電話会談をしており、日本で協議が実現するかが注目されている。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1717~1727ドル(前日午後5時は1.1719~1729ドル)、対円では同171円47~57銭(同171円78~88銭)と、31銭の円高・ユーロ安。

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