〔NY石油〕WTI続伸、68.33ドル(8日) 2025年07月09日 04時50分

 【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まり期待が高まる中で買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.40ドル(0.59%)高の1バレル=68.33ドルだった。9月物は0.49ドル高の66.98ドル。
 米エネルギー情報局(EIA)は8日公表の短期エネルギー見通しで2025年の米石油生産量を前月見通しから下方修正した。9日に発表されるEIAによる週間在庫統計では、原油やガソリン在庫の取り崩しも予想されている。これを受けて需給引き締まり期待が強まり、原油が買われた。イエメンの親イラン武装勢力フーシ派は6日に紅海で船舶を攻撃したと伝わった。その後イスラエル軍が7日にフーシ派が支配する複数の港を空爆したと発表。中東情勢の悪化に伴う供給混乱が再び意識され、原油を支えたとの見方もあった。
 ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は5日、オンライン会合で8月の生産量を前月から日量54万8000バレル増やすことを決定。また、ロイター通信は7日、関係者の話としてOPECプラスが9月も大幅な増産を承認する方針だと報じた。供給過剰への警戒感は根強く、原油の上値は重かった。トランプ米大統領は7日、日本を含む14カ国に対する書簡で新たな関税率を通知した。米関税政策を巡る不透明感や、関税によるインフレ高進への警戒感も原油の下押し圧力となった。
 ▽ガソリン=続伸。中心限月8月物の清算値は3.28セント高の1ガロン=218.50セント。
 ▽ヒーティングオイル=続伸。8月物の清算値は2.02セント高の1ガロン=244.13セント。

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