イスラエル、軍撤退で譲歩か=ハマスは人質10人解放に同意 2025年07月10日 06時48分

9日、ワシントンで会合に出席するイスラエルのネタニヤフ首相(左)とデルメル戦略問題相(左から2人目)(AFP時事)
9日、ワシントンで会合に出席するイスラエルのネタニヤフ首相(左)とデルメル戦略問題相(左から2人目)(AFP時事)

 【カイロ時事】米ニュースサイト「アクシオス」は9日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザでの停戦に向け、停戦期間中の軍の撤退範囲について譲歩したと報じた。一方、交戦中のイスラム組織ハマスは同日、ガザに連れ去った人質10人の解放に同意したことを明らかにした。
 ガザのどの地域から部隊を撤退させるかは、イスラエルとハマスの間接交渉で争点の一つとなっている。同サイトによると、仲介役の米国のウィトコフ中東担当特使とカタール政府高官が8日、ホワイトハウスでイスラエルのデルメル戦略問題相と「秘密協議」を開き、撤退計画を見直すよう説得した。
 ウィトコフ氏は、当初の計画は大部分の地域で占領を継続する内容だとして反対を表明。カタール高官も交渉決裂の可能性を警告した。
 デルメル氏は、ネタニヤフ首相が連立政権内で大幅な譲歩をしないよう圧力を受けていると説明。ただ、最終的には当初より広範な地域からの撤退計画を用意したという。
 ハマスは9日の声明で、残る人質50人のうち10人を解放する用意があると発表した。イスラエルのかたくなな姿勢が交渉を「困難にしている」ものの、「前向きに」協議を続けていると主張。イスラエル軍完全撤退や支援物資の搬入拡大、恒久停戦の保証に関して議論が続いていると述べた。 

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