最高値更新は来年以降 2025年07月08日 14時15分
内藤証券投資調査部長・田部井美彦氏
日経平均株価は年内3万8000~4万1000円程度のレンジ内の動きにとどまり、昨年7月に記録した最高値(4万2224円)更新は来年以降になろう。
米国の関税政策の行方が引き続き相場の重荷だ。トランプ米大統領が日本からの輸入品に対し、8月1日から25%の関税を課すと発表した。日米交渉の期間が延長されることになるが、どう決着するかが最大のポイントとなろう。現行10%の一律関税から引き上げられれば、輸出企業は国内工場などサプライチェーン(供給網)の再構築を迫られることになり、地域経済や国内景気に大きなマイナス要因となる。
また、年後半には米国の利下げが再開される見通しで、為替相場は日米金利差縮小から円高が大きく進む可能性がある。円高進行も国内企業の業績に悪影響を及ぼすだろう。
景況感や企業業績に懸念が想定される中では、日経平均の上値の重さが意識されよう。