参院選公示、過半数焦点に=与党か野党か、20日投開票―物価高・関税で論戦【25参院選】 2025年07月03日


第27回参院選が3日公示され、20日の投開票に向け選挙戦がスタートした。自民、公明両党が非改選議席を含めた過半数を維持できるかが最大の焦点。立憲民主党など野党は昨年の衆院選に続いて石破政権を追い詰めようと攻勢を掛ける。消費税減税の是非をはじめとする物価高対策、トランプ米政権の関税措置への対応が主要争点となる。
参院の総定数は248。選挙区74、比例代表50の計124が改選対象で、東京選挙区の非改選の欠員1を補う補欠選挙と合わせて125議席を争う。補選を除き、衆参両院選挙の投開票が連休の中日に行われるのは現憲法下で初めてだ。
与党の非改選議席は75。今回、50人当選すれば全体の過半数(125)に達するため、政権維持へ石破茂首相(自民総裁)はこれを「必達目標」と位置付ける。
昨年10月の衆院選で自公は大敗し、少数与党に転落した。立民の野田佳彦代表は参院でも与党を過半数割れに追い込みたい考えで、「政権交代」に意欲を見せる。
首相は3日午前、神戸市で第一声を上げ、野党が軒並み掲げる消費税減税を「医療、介護、年金の財源を傷つけてはいけない」と批判。1人2万~4万円の給付を速やかに実施すると強調した。
野田氏は宮崎県国富町で水田を背景に演説。「物価高はコメだけではない。石破政権は無策だ」と断じ、「財源を示しながら責任ある減税を果たしたい」と力を込めた。
公明党の斉藤鉄夫代表は神戸市で、給付に対する批判を意識し「バラマキではない。年金、賃金との差額を埋める物価高対策だ」と説明。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は地盤の大阪市で「社会保険料負担が大き過ぎて生活がもたない。保険料を下げる努力が必要だ」と語った。
他の野党は最多の計7議席を争う東京から遊説を開始。共産党の田村智子委員長は「自民は裏金問題にも反省がない。参院でも自公を少数に追い込む」、国民民主党の玉木雄一郎代表は「税金をばらまくのではなく、減税で納税者に返す。手取りを増やす夏にしたい」と訴えた。れいわ新選組の山本太郎代表は給付や減税では不十分だとし、「消費税を廃止すれば、あなたの生活を助けることになる」と主張した。
参政党の神谷宗幣代表は「積極財政、子育て支援、治安維持に力を入れ、日本の未来を守る」と力説。社民党の福島瑞穂党首、日本保守党の百田尚樹代表もそれぞれ支持を呼び掛けた。
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