企業倒産、11年ぶり高水準=「人手不足」関連は過去最多―25年上半期 2025年07月08日 14時08分

東京都心の街並み(資料写真、EPA時事)
東京都心の街並み(資料写真、EPA時事)

 東京商工リサーチが8日発表した2025年上半期(1~6月)の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は、前年同期比1.1%増の4990件と4年連続で増加した。上半期では、14年(5073件)以来11年ぶりに高い水準。「人手不足」による倒産は、調査を開始した13年以降で上半期として最多だった。
 全体の倒産件数のうち、求人難や人件費高騰などによる「人手不足」関連の倒産は17.8%増の172件。原材料費を価格転嫁できない「物価高」倒産は8.5%減の343件と前年同期を下回ったものの、300件を超す高水準が続いている。また、社会保険料や税金納付に必要な資金確保が難しく倒産に至った件数が77件に上った。
 負債総額は4.2%減の6902億600万円となった。
 産業別では、飲食、宿泊業を含むサービス業が4.8%増の1697件で最も多かった。資材価格が高騰する建設業、円安で仕入れコストが上昇する製造業と続いた。
 商工リサーチは、トランプ米政権の関税引き上げについて、「製造業や輸出関連を中心に影響を懸念する声が高まるのではないか」と指摘。物価高や貸出金利の上昇などで「企業倒産は緩やかに増勢をたどる」と分析した。 

注目ニュース