当面もみ合い 2025年07月04日 14時37分
日本総合研究所理事・牧田健氏
日経平均株価は、3万8000~4万1000円程度のレンジで当面もみ合うと予想する。4月のトランプ関税ショックによる急落分を埋め戻したとはいえ、もう一段の上昇には材料不足感が否めない。米国の物価動向やトランプ関税、日本の政局に対する注意が必要で、強気にはなりにくい。
米国では7~9月期にトランプ関税の影響が顕在化し、物価の上昇が景気を押し下げる懸念がある。日本国内も、参院選後に政局が混乱した場合は売りが強まるリスクがある。一段の上昇には、日本の実質賃金のプラス転換や自動車に対する米関税問題の解決など、新規の強材料が待たれるが、容易ではないだろう。
ただ、中長期的には日経平均は昨年7月の史上最高値(4万2224円)を突破する展開を見込む。東証の市場改革による株主還元策の拡大で、日本株の魅力は向上している。人工知能(AI)関連や防衛関連の銘柄が、今後も相場上昇のドライバーであり続けるだろう。