〔東京外為〕ドル、146円前後=急伸後の利食いで上値重い(29日午後3時) 2025年05月29日 15時03分
29日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、午前に2週間ぶりの高値水準となる1ドル=146円台前半に急伸した後の利食いや調整の売りに押され、146円前後で上値重く推移している。午後3時現在は、1ドル=145円92~93銭と前日(午後5時、144円14~15銭)比1円78銭の大幅ドル高・円安。
東京早朝は、米半導体大手エヌビディアが発表した決算の売上高などが市場予想を上回ったのを受け、日経平均株価の上昇期待などで144円台後半から145円台半ばへ上伸。トランプ米政権の相互関税などについて、米国際貿易裁判所が差し止めを命じたと報じられると上げ足を速め、約2週間ぶりに146円台を付けた。
午前は、高寄りした日経平均が上げ幅を拡大するのを眺め、堅調に推移。仲値公示に向けては「国内輸入企業によるドル買い・円売りが優勢だった」(外為仲介業者)といい、一時146円20銭台の高値を付けた。
買い一巡後は利益確定や調整の売りが強まり、145円台後半に押し戻された。米国際貿易裁判所の差し止め命令に対し、トランプ政権が直ちに上訴したと伝えられ、日経平均の上昇が一服したこともあり、「ドル円の勢いも止まった」(同)との声が聞かれた。
午後は、新規の手掛かり材料が乏しい中、145円台後半でもみ合ったが、午後2時以降は日経平均の上げ幅が拡大するのを眺め、146円前後に値を戻している。
ユーロは正午に比べ対円、対ドルで小動き。午後3時現在、1ユーロ=164円08~09銭(前日午後5時、163円28~30銭)、対ドルでは1.1244~1244ドル(同1.1326~1327ドル)。