コメ5キロ4285円=2週連続最高値、備蓄米流通遅く―農水省 2025年05月26日

農林水産省は26日、全国のスーパーで5月12~18日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が、前週より17円高い4285円だったと発表した。2週連続で値上がりし、集計を始めた2022年3月以降の最高値を更新した。備蓄米の流通ペースが遅い上、産地や品種が単一の「銘柄米」の相場高騰により、前年同時期の約2倍の水準での推移が続いている。
調査は全国のスーパー約1000店舗のデータに基づく。
政府は4月までに計約31万トン分の備蓄米の入札を実施。備蓄米はブレンド米として販売されるケースが多く、農水省はコメの販売数量に占めるブレンド米の比率の推移を公表している。それによると、ブレンド米の比率は前週から3ポイント上昇して34%になった。
備蓄米ブレンドのコメの比率が徐々に高まれば、全体の価格も下がる可能性が出てくるが、今回はブレンド米の価格が上振れし、値下がりにつながらなかった。さらに、相場が高騰している業者間取引を通じて銘柄米を入手する量販店も多く、価格を押し上げる格好となった。
小泉進次郎農水相は、備蓄米の売り渡しを巡り、これまでの競争入札から随意契約に切り替えた上で、計30万トンを新たに供給する方針を決めた。この放出分の価格については「5キロ2000円程度」と見込んでおり、こうした低価格の備蓄米が順調に出回るかどうかが、今後の価格押し下げの成否を左右することになる。
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