〔東京外為〕ドル、143円台後半=米トリプル安懸念で軟調(22日午前9時) 2025年05月22日 09時15分

 22日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日に米国市場で債券、株式、通貨が売られた「トリプル安」の再燃が懸念され、1ドル=143円台後半で軟調に推移している。午前9時現在は、1ドル=143円66~68銭と前日(午後5時、143円89~91銭)比23銭のドル安・円高。
 前日の欧州時間は、東京時間に143円台半ばと2週間ぶりのドル安水準を付けた反動で144円20銭前後まで上伸。ただ米国時間は、米20年債の入札が低調だったことによる米長期金利の急上昇や米主要株価指数の下落を受け、一時143円20銭台まで水準を切り下げた。その後は買い戻され、終盤にかけては143円60~70銭台を軸にもみ合った。
 東京早朝は、加藤財務相とベセント米財務長官が会談し、米財務省が「為替水準について議論はなかった」と発表したことを受け、米国による円安是正要求の懸念が後退し、144円台前半へ上伸した。ただ、その後は「想定の範囲内で、ドル買いも限定的だった」(外為仲介業者)との見方が広がり、143円台後半へ押し戻された。
 米長期金利はムーディーズの米国債格下げを受け、上昇基調が続いている。トランプ米大統領の看板政策である大規模減税の法案を巡り、財政悪化懸念が強まっていることが背景にある。本日は、東京時間は野口日銀審議委員の講演と記者会見、海外時間には5月の欧米の製造業PMI、米週間失業保険申請件数、ECB理事会議事要旨の公表、G7財務相・中銀総裁会議の閉幕記者会見が予定されている。
 ユーロは対円で小幅安、対ドルで堅調。午前9時現在、1ユーロ=162円81~84銭(前日午後5時、162円94~96銭)、対ドルでは1.1332~1333ドル(同1.1323~1323ドル)。

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