〔NY石油〕WTI反落、70ドル台(16日午前) 2025年06月16日 23時22分
【ニューヨーク時事】週明け16日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、前週末の急伸の反動から利益確定の売りが優勢となり、反落している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前10時10分現在、前週末清算値(終値に相当)比2.47ドル安の1バレル=70.51ドル。
イスラエル軍は16日の声明で、「イラン各地で航空優勢を確保する活動を続けている」と表明。攻撃対象はイラン全土の核や軍事施設、政府庁舎、エネルギー関連施設に拡大し、イラン保健省によると攻撃開始以降の死者は224人に上った。ただ、イスラエルによる新たなイランへの攻撃により、イランの主要石油生産・輸出施設に今のところ大きな供給混乱が生じていないことでひとまず利益確定の売りが優勢となった。また、イランがこれまで世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を示唆をしていないことも売りにつながった。ゴールドマン・サックスやシティグループなどのアナリストは13日、原油供給が大きく混乱する可能性は低いとの見方を示した。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が「必要なら行動する用意がある」との声明を発表し、備蓄放出の可能性を示唆したことも、需給逼迫(ひっぱく)の懸念を和らげた。